igaiga’s diary

20代独身男性の本や映画の紹介、日常の出来ごとを記す日記。アウトプットできるよう奮闘中!!

かがみの孤城

 

f:id:igaiga7010:20210424172130p:plain

 

皆さんこんにちは!

 

 

辻村深月著「かがみの孤城読了しました。

 

かがみの孤城」は2018年の本屋大賞受賞作! 今年の3月に文庫化されて、本屋でも大きく展開されていますね。どこの本屋さんでも、ランキング上位で人気ぶりが伺えます。

 辻村さんの他作品では、「ツナグ」は映画化されており、映画のみ観たことがあるのですが、すごく感動した作品だったことを覚えています。小説もいつか読もうと思います。

 

 

~こんな人に読んでほしい~

ファンタジー小説初心者

・学生時代に孤独を味わったことがある

・緻密な伏線回収で爽快感を味わいたい

 

 ~あらすじ~

 学校で居場所をなくし家で閉じこもっていた主人公・こころは、ある日突然部屋の鏡が光りだし、鏡の世界へ誘われます。そこには城のような建物とオオカミの面をつけた少女が待ち受けており、同じような境遇をもつ7人の少年・少女は集められていました。

 城に隠されている"願いの部屋の鍵"を3月30日までに探し出すことで、願いをかなえることができるとオオカミ少女に告げられ、少年・少女たちの鏡の城での1年間の物語が始まります…。

 

~感想~

 この本の第一印象は、「読みやすい!!」

 文庫本を購入し、上巻411ページ・下巻365ページと計776ページある長編なのですが、物語に引き込まれ一気読みしてしまいました。

 

 ファンタジー要素が強いので、世界観に入りにくい作品かな?っと構えて読んだのですが、鏡の世界と現実の物語がいい塩梅で展開されており、次の展開を早く知りたくなります。

 

 鏡の城での鍵探しがメインストーリーになるのかと思いきや、主人公たちはあまり鍵探しには没頭しません。もはや、現実世界でのそれぞれの問題の方が印象深く感じました。

 4月の最初の段階では、7人ともそれぞれの性格を探るような関係ですが、月日が経つにつれ親密な関係になっていき、各々の家庭や学校・環境の悩みが徐々に分かっていきます。この徐々に分かっていく感じが、ミステリーやファンタジー作品の醍醐味だと思います。

 

 

 この物語のキーパーソンはもう一人、フリースクールである”心の教室”に所属する喜多嶋先生です。喜多嶋先生は、こころのそばに寄り添って、学校の問題を解決してくれようと奮闘してくれます。私自身、大人になったからこそ、手を差し伸べることにも勇気が必要なことがわかるので、喜多嶋先生のような寛大な心を持つ人になりたいと思いました。

 

 

 辻村さんの作品の特徴であるそうなのですが、人と人のリンクが盛りだくさんに感じました。まさか、この伏線がこの人に関係していた!?っとハッとさせられる場面が多く散りばめられています。

 そのため、読後感は爽快であり、終盤は感動する場面もあり、最高の読書体験を味わうことができました。

 

~印象のある文章~

「闘わなくても、いいよ」

 

 「学校に行くことが正しい」、「学校に行かなくてはならない」と感じていたこころは、喜多嶋先生から上のように声をかけられます。

 一般的には学校に行くことが正義とされる日本社会で、「闘わなくていい」と声をかけてくれる大人の存在はすごく大きいと思います。

 喜多嶋先生のような優しさ・エンパシー能力を持てる人になりたいです。

 

 

 久しぶりに長編ファンタジーに没頭し、本の楽しさを痛感する作品に出会えました。

終盤の展開にはドキドキしながら読むことができ、とても面白かったです。

 ぜひぜひ読んでみてください!!

 

 

かがみの孤城 上 (ポプラ文庫)

かがみの孤城 上 (ポプラ文庫)

 

 

 

かがみの孤城 下 (ポプラ文庫)

かがみの孤城 下 (ポプラ文庫)