ドキュメント
皆さんこんにちは!
湊かなえ著「ドキュメント」読了しました。
「ドキュメント」は以前書評した「ブロードキャスト」の続編、
高校の放送部が舞台の作品で、湊かなえさんの作品では珍しい青春小説です。
湊かなえさんといえばイヤミスですが、今作ではイヤミスは全くないのでミステリー好きにはおすすめしません(笑)
~こんな人に読んでほしい~
・前作の「ブロードキャスト」を読んだことがある
・青春小説が好き
・放送部の活動がどんなものなのか興味がある
~感想~
今作は、「ブロードキャスト」の続編で3年生が退部した後の放送部が舞台。
前作ではあまり絡みがなかった2年生とドキュメント部門の作品を作り上げていくことがメインのストーリーとなります。
前作の主人公は、事故のせいで陸上部へ入部できない過去を持つため、陸上部となるべく関わらずに生活していました。
しかし今作では、陸上部を主人公自身が取材するという、トラウマと対峙させられる設定となっています。
私が主人公の立場なら、即刻断りそうですが…(笑)
作中の主人公は前作よりも人間的に成長しており感動ものです。
特に印象深かったのはドローンの撮影を取り入れているところ!
ドローンの撮影の描写は迫力があり、実際に飛んでいるところを想像しながら読み進めていました。
また、ドローン撮影をきっかけに事件が勃発し、放送部が危機的状況に晒されるのですが、事件の犯人捜しをする展開はさすが湊かなえさん。
しっかりとミステリー要素も加えており、今作のスパイスとなっています。
~印象的な文章~
「結果を出せなかった時に、自分を価値のない人間のように感じることが、かな」
これは、同じ1年生の部員との会話で出てきたセリフ
交通事故のせいで陸上をあきらめ、放送部へ入部したこと。
放送部の活動に熱中できそうだけど、そうするのが少し怖い主人公の描写はすごく人間らしい感情だと感じました。
熱中したいけど熱中することへの恐怖に共感し、印象深かったです。