麦本三歩の好きなもの
皆さんこんにちは!
住野よる著「麦本三歩の好きなもの」読了しました。
住野よるさんは「君の膵臓を食べたい」や「かくしごと」などの代表作があり
話題沸騰中の大人気作家ですね。
今作は本屋で第二集の新刊が並べられていた時から気になっていた作品
今回ようやく読了できましたので紹介させていただきます。
~感想~
主人公は図書館勤務の20代女子-麦本三歩-、毎日仕事をしながら何も起こらない日々を過ごしている。
最初は「あっ…このキャラクター苦手かも」と感じました。
天然な性格で、一言でいうとどんくさい性格。
周囲から心配されつつも、かわいがられるポジションに少し嫉妬心が芽生えました。
しかし、この物語を読み進めていくと、三歩は三歩なりに悩んだり日々の出来事に葛藤しながら生きている姿が見え、許せるようになっていました。
「麦本三歩は〇〇が好き」
各章の題名がこのような形で表記されており、自己肯定感を高めているようなフレーズが大好きです。
全12章のうち、私が好きな章は「麦元三歩はモントレーが好き」
この章では三歩がズル休みをしてしまい、自己嫌悪に陥ってしまう話です。
同僚の一人である、”おかしな先輩”は唯一、三歩がズル休みをしたことを知ったのですが…。
おかしな先輩は三歩のことを「好きじゃない」とはっきり言うシーンがあるのですが、このおかしな先輩のセリフには共感してしまいました。
「三歩だから許されてきたことって、あるでしょ?」
社会経験がある方なら感じたことがあるんではないでしょうか。
あの人は許されやすい性格をしているな…と。
私自身、感じたことがあるのでおかしな先輩のセリフには大いに共感しました。
~印象的な文章~
「ずるいことしたり、人に嘘をついたり、でも生きていかなくちゃいけなくて、自分をそんな嫌な奴だと思いたくなくて、だから他人をたっぷり甘やかして、そのかわり甘やかしてもらって、必ずちょっとだけ反省して、生きていくしかないんだと思うよ。」
大人はズルしたり、少し悪いことをしたり、スレながらも一生懸命生きていくものだと思います。
ズルは悪いことではありますが、きちんと自覚して生きていくことで成長していくことが重要なのだと思います。
ライトに読める作品でしたが、印象に残るシーンが多い作品でした。
ぜひ、気になる方は手に取ってみてください!