igaiga’s diary

20代独身男性の本や映画の紹介、日常の出来ごとを記す日記。アウトプットできるよう奮闘中!!

本と鍵の季節

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皆さんこんにちは!

 

米澤穂信著「本と鍵の季節」読了しました。

 

米澤穂信さんは古典部シリーズ、小市民シリーズなどミステリー作品を中心に執筆されています。
米澤さんといえば青春ミステリー
高校生特有の感情を描写するのが絶妙な方だと個人的に思います。
私自身、古典部シリーズの作品はすべて読了しており、
今作は刊行された時から読むのを楽しみにしていた作品です。

 

 

~こんな人に読んでほしい~

・ミステリー小説初心者

・通勤や通学でも読める短編でのミステリー

・青春小説が好き

 

 

~感想~

 

今作は全7編のミステリー短編小説
題名の通り、全章通して本や鍵にまつわる話が盛り込まれています。

 

舞台は高校の図書室、図書委員に所属している2年生の堀川次郎と松倉詩門。
この2人が絶妙な掛け合いをしながら、開かずの金庫、テスト問題の窃盗事件、亡くなった先輩が最後に読んでいた本についてなど…
様々な出来事を解決していくストーリーとなっています。

 

氷菓」など古典部シリーズが好きな人はすごく好みな内容だと思います。
私はミステリーが少し苦手であまり読んでこなかったのですが、
今作は青春小説の要素も強く、ミステリー特有の伏線を回収していく爽快感も味わうことができる作品で楽しく読み進めることができました。

 

特に好きな話は第2章の「ロックオンザロッカー」
堀川と松倉は割引きされるということで、2人で堀川が行きつけの美容室へ髪を切りに行くことになりました。
普段は接客する姿を見かけない店長に対応されたり、普段と様子の少し違う店内。
その美容室では、荷物は鍵付きのロッカーに入れることになっているのですが、店長に「貴重品は、必ず、お手元にお持ちくださいね」と念を押されます。
少しおかしいと感じた2人は、推理をしていきまさかの展開へ発展していきます。

 

 日常に潜んでいる事象をミステリー調で解決していく感じがとても好みでした。
ミステリーは登場人物が多くて覚えられない・読み切る気力が続かないという方にとてもオススメな1冊です。

 

 

~印象的な文章~

「器物破損を試みる松倉は間違っていて、不満を心に留めるだけの僕の方が社会的に正しい。けれど僕は、松倉が妬ましい。」

 

堀川が松倉に対して、松倉の大胆さ・潔さに羨ましく、妬みを露わにするシーン
私も堀川のように大胆な考えを持つ人に会うと、羨ましく思ってしまうことが多いです。
この微妙な感情を上手く作中に表してくれており、私自身が持っているモヤモヤを昇華してくれました。

 

 

男子高校生2人のやりとりも絶妙に描かれており、ミステリー要素だけでなくても面白い作品でした。
ぜひ、興味がありましたら手に取って読んでみてください!